いま、世界中の教育現場で同じ問題が起きています。

高度な内容を教える場に、基礎が身についていない学習者が混在している――そのことで、授業が止まり、教える側も教わる側も本来の目的を果たせなくなっているのです。

アメリカの名門大学では、大学レベルの数学・理工系科目を教えるはずの教員が、中学・高校レベルの内容から教え直さざるを得ない状況が広がっています。学力の二極化が進む中、高度な授業の場に基礎が追いついていない学生が増え、全体のペースが落ちてしまう。これは一部の国の話ではなく、日本の企業研修でも、静かに、しかし確実に起きていることです。

名門カリフォルニア大学で“中学数学を教え直す”異常事態 理工系教員ら1000人超が連名で抗議文書 原因は……

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2606/02/news021.html


「難しいことを教えるべき人に、やさしいことは教えられない」

ここに、見落とされがちな問題があります。

業務に直結した高度なスキルや専門知識を教えるために招いた講師や社内の専門家は、そもそも「算数・数学の基礎をゼロから教える」ことを想定していません。得意でもなければ、準備もできていない。

どれほど優秀な専門家でも、教える相手に基礎がなければ、話は伝わりません。そして、基礎を教えることが苦手な専門家に、無理に基礎から教えさせることは、本人にとっても受講者にとっても、よい結果を生みません。

高度な内容を教える人は、高度な内容だけを教えられる環境であるべきです。


「基礎がない人が一人いると、全体が止まる」

新入社員研修や社内勉強会で、こんな場面はないでしょうか。

  • パーセントや割合の計算で、説明がたびたび止まる
  • グラフや数表の読み方から説明しなければならない
  • 一人のフォローに時間をとられ、他の受講者が待ちぼうけになる

数字を使う場面で基礎がぐらついていると、業務の説明や意思決定の場面でも、正しい共通理解ができていない可能性があります。本人を責めることはできません。これは、これまでの教育環境の問題でもあり、学習によって挽回できる知識です。


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