マーケティングの部署にいます。今年配属された新入社員の発言に少し違和感を覚えていました。なぜこのような数字を発表してしまうのだろうとか、単位を間違えているんだろうとか。ある日話していて、割合を全く理解していないことがわかりました。聞くと昔から算数が苦手とか。
それ以来、小学校レベルの算数のテストを作って毎週テストをしたり、複数名で数学の勉強会をしたりしています。が、最近では本人は忙しいからと逃げてしまい、「上司の心、部下知らず」という感じになっています。これからどうすればいいでしょうか。

ご相談ありがとうございます。その方のために開催した勉強会から逃げられてしまうのは、残念ですね。マーケティング部での業務には数字が欠かせないからこそ、育ってほしいが故の親切心が 拒否されてしまうのはショックですよね。深く同情します。

また、上司が中学校1年生のドリルを買い、問題を解かせては採点、解説をしているという話は何度か聞いたことがあります。皆さんご苦労されていらっしゃいますね。それだけ部下に育ってほしいという気持ちがお強いのだと思います。

これらの仕事は、本来なら塾の先生や学校の先生がするべき仕事です。しかし、新入社員を教育することは、あなたの優先度が高い仕事かもしれません。また、新入社員が育ってくれた方が後々あなたが楽になるでしょう。
そうすると、あなたは逃げ出すことができず、腹をくくって対応するしかありませんね。

それでは、数字を見ると逃げ出したくなる方が、数字を見ても少し心を強く持てるようになる対応方法を紹介します。

1. 数学のできていないところを知る

数字嫌いのレベルを知る必要があります。
下記のリンク先のビジネス数字リテラシーサンプル問題を受けていただいてもいいですし、より詳細な判断が必要であれば、当社の数学レベルチェックをご利用いただくのもよいでしょう。(詳細は後述)

数学を好きな人には理解されにくいことなのですが、数学に苦手意識がある方が数学学習をしているうえで躓くのは主に以下の3ポイントです。

1.1 主語が見つけられない、比較できない

「AよりB」、「多い」、「少ない」といった比較の文章を苦手としている方が多いです。
与えられた問いに対して、主語を見つけられない、誰を中心に式を作ればいいのか混乱してしまう、正しくxとおきたいが、おいた瞬間に不安になってしまい、正しいかどうか確かめたくなるというパターンです。
このような方には、小学生の基本的な算数の問題から慣れてもらう必要があります。

1.2 割合を理解していない

割合を理解していない社会人は、本当に多いです。小学生向けの塾の算数の先生に聞いても、割合でつまづく小学生は本当に多いと聞きます。小学生の時代につまづいて、そのまま大人になるのでしょう。

とりあえず点数を取るために、意味を理解しようとせず、式を覚えて学習してきたのかもしれません。「小さい方÷大きい方」などの間違った記憶が理解の邪魔をします。抽象的な理解ができていないので、どちらをどちらで割るというものを公式のように覚えてしまい、応用が利きません。このようなパターンのときは、こうふるまうということがわからないのです。

このような方には、まず以前の学習を忘れていただいて、改めて割合の基本から学習を進める必要があります。

割合を理解していないと、ビジネスで使う数字の大半を理解することができません。
割合の理解なしに、中学生のドリルなどを進めても、つまづきの再生産をするだけです。

1.3 提示された数字をすべて使いたがる

ビジネスでは、学校時代の問題とは違い、さまざまな数字を一度に提示されます。
数学が苦手な方は、全ての数字をとにかく使おうとします。
そのため、どうしてその数字を使ったのか誰にも説明できない計算をすることがあります。
このような方には、長めの文章題や推論の問題を解くことで、数字に慣れる練習、パニックを起こさない練習を 積ませることが必要です。

2.学習計画を立てる

できていないところを把握したら、上記のようにその単元から学習を進めます。
学習機会を与えても逃げてしまうのであれば、無理のない量を課題として出し、提出してもらうようにしましょう。
もしくは、話しやすそうな先輩社員に協力してもらい、「学習時間」を設け、その時間に進めてもらうのもよいでしょう。

「こんなことを聞いたらいけない」と遠慮してしまい、質問できない方が多いので、自ら質問には来ないかもしれません。そのようなときは、解答用紙に書かれている式を見て、考え方があっているかどうかを推測するようにしましょう。

3.フィードバックをする

学習の成果を実感させることで、やる気を引き出すことができます。

  • 小さな成功体験を積ませる:簡単な問題から始めて、少しずつ難易度を上げることで、自信を持たせます。
  • ポジティブなフィードバック:努力や成果を褒めることで、モチベーションを維持します。

4.業務内での実践

実際の業務で学んだことを活かす機会を増やすことで、実践的なスキルを身につけることができます。
具体的な業務で必要な数字や割合を計算する場面を提供し、実際にやってみることで学びを深めます。

5.学習教材を用意するのが面倒な場合は

スキルチェックから学習コースの提案まで、大人塾にお任せください。
大人塾のビジネス数字リテラシー向上ベース研修は10時間程度で、数学の基本からビジネスの基本までしっかりと学べるコースです。

それぞれの項目に確認テストがあるので、現在の数学レベルに合わせて学習を進めることができます。
解説は数学が苦手な方のために、わかりやすく作られています。練習問題も豊富なため、数字への拒否感を減らし、今までわからなくてストレスに感じていた部分を克服することができます。

管理者の方は、一目で学習進捗状況を確認することもできます。

また、現状のレベルだけを知りたい場合には、ビジネス数学レベルチェックがおススメです。管理者の方は点数を一覧で把握できます。このチェックを実施し、必要な方だけ研修を受講するということも可能です。

新入社員のために、数学のテストを作ることに疲れたら
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