弊社のページには「割合が分からない大人」というキーワードから訪問くださる方が、たくさんいらっしゃいます。
このようなキーワードで検索される方のパターンとしては、
割合について、
・周囲に分からない人がいる
・自分自身が分かっていない
という状況が想定できます。
そこで、今回は「割合が分からない大人」にまつわる状況の確認と対応策をご案内いたします。
社会人で割合を分からない人は多い
2019年に発売されて話題になった『「%」が分からない大学生』という書籍があります。この本が扱っているのは大学生ですが、大学生の時点で理解していないことを、社会人、大人になってから、あらためて理解する機会を設けるのは難しいでしょう。
実際のところ、弊社の「大人のための数学教室 大人塾」の入塾テスト(入塾時のレベルを測る検査)を受検いただくと、数学に苦手意識を感じている30~40代の方たちの半数以上は、割合の問題が解けません。
「前年比って、どちらをどちらで割るのか忘れてしまった」
「答えが大きい方がいいのか、小さい方がいいのか分からなくなる」といった質問や疑問をよくいただきます。
これについては、子どもの頃に「公式だ/暗記だ」と教えられた方が、大人になってから悩まれることが多いようです。
この悩みは「指導者の問題だなあ」というのが正直なところです。なぜならば、きちんと基礎を押さえる/学び直すことで、ほとんどの方が「割合を理解」できているからです。
もちろん、大人になると生活や仕事のなかで「売上」「経費」など、実際に割合に基づいた考え方を使う機会が増え、子どもの頃に比べて、割合そのものをイメージしやすいようになっている点も見逃せません。
なぜ割合は理解されにくいのか
現在の学習指導要領では、小学3年生で「何倍か」、4年生で「1とすると」、5年生で「割合」を習います(これより以前の学習指導要領でも、細部で変更があるとはいえ、概ねは同じ流れであったと記憶しています)。また、並行して小数や分数も順に習いますが、割合でいうところの、分数ならば分母となる「基になる値」の考え方との結びつきが弱い状態のままそれぞれの学習は進みます。
上記の流れだと、分数の概念が定着しきる前に「1とすると」を学習することになります。「1」の意味を納得・理解できないままに「この場合は1とおく。はい、覚えてください」と授業が進むと、考え方の前提が曖昧なままで割合に出会うことになり、そのまま苦手意識に繋がってしまう、となると考えられます。
どうやったら大人になってから割合を理解できるようになるのか
大人として「割合が分からない」に直面して困る例として、以下のようなパターンがあるのではないでしょうか。
1)子どもに聞かれたけれど、うまく答えられなかった
2)ビジネスで「率」などの割合を用いた数値が理解できない
3) 周囲に居る割合を理解しない人との意思の疎通が難しい
子どもに割合をゼロから説明をする場合は「もしも100人の村だったら」=「100とおくと」のように大きな数字から始めて「100ではなくて1とおくと?」と導いて「1とすると」という考え方にヒントを与えると、よさそうです。
また、もし、この文章を読んでいるあなた自身が「ビジネスでの数字の扱いに弱い」と感じている場合は、方程式レベルからの数学のやり直しをご提案します。未知数の操作、割合の考え方を学び直すだけで、仕事で使う数字の読み方、考え方がグッと広がります。
・方程式をきちんと理解する
・割合の基礎を理解する
ビジネスの現場において、部下やスタッフの数字力が弱いなという場合、法人研修を承っております
社会人の数字に対する理解力をチェックしたい
ところで、話をひっくり返すようですが「割合が分からない大人」は本当にいるのでしょうか? ここまで書きましたように、います。断言します。
では、そのような方はどうしているのでしょう? 自覚がない場合もあれば、割合への苦手意識が生活や仕事にそれほど影響しない方、「数学が苦手」を言い訳にして誤魔化しながら頑張っている方もいることでしょう。
それに、もうひとつ見逃せない、大きなポイントがあります。
割合を理解している方たち側です。数学が苦手ではない方は、頭の中にある「考え方の型」を普段から運用できているので「理解できていない人がいる」ことを理解できない場合があります。できる人の当たり前が、できない人にとってもそうだとは限りませんよね。
この場合、たとえば割合を扱うような「数字リテラシー」を求められるコミュニケーションは、特にうまくいきません。お互いにツライ思いをするケースも多いでしょう。そういった事例もたくさん目にしてきました。
とはいえ、理解できていない人を冷静に見極めるのは難儀なことです。そこで大人塾は、そのためのツールとして「ビジネス数字リテラシー検査」をご案内しております。
この「検査」は「対策をしなくてはいけない」「良い点を取らなくてはいけない」と身構える必要はなく、あくまでも現状の数字リテラシーを把握する目的で、ご利用いただきます。「昇格などの判別に利用するものではない」というスタンスです。
先日も、ある企業様がご利用くださり、Excelの研修実施へとつながりました。
「ビジネス数字リテラシー検査」では、数字の意味を理解できていないのか、ただExcelの操作や機能を知らないだけなのかを判別し、各受検者のレベルの把握と個々に最適な学習ステップを導きます。
算数・数学はビジネスで必要なコミュケーションツール
「数字が苦手なので」と、言い訳から入ってしまうのは「数字のコミュニケーションができない」と同意です。現在、一層の生産性向上、業務の効率化が求められるなかで、基本的な数字リテラシー、特に「割合の考え方」の理解は避けられません。
冒頭にも申し上げた通り、基礎から焦らず学習することで、数学は必ず理解につながります。スキルの向上や底上げ、そのための適切な学び直しには、現状のレベルを知り、適切な学習カリキュラムで苦手を克服させることが大切となります。
数字が分かると会議が楽になる
当教室には、ビジネスコースで通学されている方も多くいらっしゃいます。学習の入口は、ほとんどの方が文章題の基礎(数字の入った文章を正確に読む)からスタートします。
1年ほど通った方たちからは、
「会議の数字が理解できるようになって、積極的に発言できるようになった」
「今まで数字を避けてきたけれども、意味が分かるから面白くなった」
「数字の理解ができるようになり、効率が良くなった」
などの喜びの声をいただいています。
できないことは全く恥ずかしいことではありません。
当社の研修が「できるようになるお手伝い」となれば幸いです。