近年、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの導入が進み、データ分析や可視化の作業は格段に楽になりました。さらに生成AIの発展により、適切な指示さえすれば様々な処理を自動化でき、業務の大幅な時短も実現できるようになっています。

しかし、こうしたテクノロジーの恩恵を最大限に受けるためには、実は基礎的な「数字リテラシー」が不可欠です。AIに適切な指示を出し、その結果を正確に読み解く力が、今まで以上に重要になっているのです。

「わかっている人」と「わからない人」の見えない溝

「数学が苦手」という人の多くに共通する特徴があります。それは「割合」や「比率」といった基礎的な概念の理解が不十分なことです。例えば、消費税10%を計算する際に、なぜ0.1を「かける」のか、「割る」ではないのか、その根本的な意味が理解できていないケースが少なくありません。また、「割り戻し」の考え方や前年比の比較など、日常業務で必要な数字の扱い方が曖昧なままになっています。

興味深いのは、数学の基礎がしっかりしている人には、こうした「わからない人」の思考回路が想像もつかないということです。わかっている人にとっては当然のことが、わからない人には見えていないのです。

上司や先輩の中には「どうして自分の行っていることをわかってくれないのだろう」と部下や後輩に対して不満を抱えている人も少なくありません。この見えない溝が、職場でのミスコミュニケーションの原因となっていることも多いのです。

数字リテラシーと職場のウェルビーイング

数字がわからないことによる影響は、業務効率だけにとどまりません。数字に対する不安や苦手意識から、深い孤独感を抱いたり、仕事に対するモチベーションが低下したりする人も少なくありません。最悪の場合、それが離職につながってしまうケースもあります。

基礎数学ができるということは、単なる計算スキルではなく、職場での基本的なコミュニケーションができるということでもあります。数字を介したコミュニケーションは、現代のビジネスにおいて不可欠な要素なのです。

「こんな基礎的なこと」を侮ってはいけない

ビジネスパーソンの中には「こんな基礎的なことを今さらやらなければならないのか」と感じる方もいるでしょう。しかし、基礎力の有無を客観的に調べることは非常に重要です。

「うちの社員にはそんな人はいないはず」と思わずに、ぜひ一度数学テストを受けてみることをお勧めします。思わぬ発見があるかもしれません。

ビジネス数字レベルチェック

データをビジネスに活かせるために必須のビジネス数字リテラシ―を客観的に検査します。短時間、さらに、パソコンで受検できるのでメンバーの負担を軽減します。

基礎力が不足している状態では、いくら高度な財務講座や統計分析の研修を受けさせても、本当の意味での理解には至りません。「わかった気持ち」にはなっても、実際に「使える」ようにはならないのです。

数字リテラシーの不足がもたらすリスク

基礎的な数学の理解が不足している状態では、本来業務に必要となる知識やスキルが備わっておらず、上司や顧客との会話でも正しい共通理解ができていない可能性があります。これは決して個人の性質を責めるものではなく、むしろ記憶偏重型の教育の問題点とも言えるでしょう。

幸いなことに、これらの基礎知識は適切な学習により十分に挽回可能です。

どうすれば良いのか?

まずは基礎力があるかどうかを測ることが大切です。基礎力テストを実施することで、「わかっていないこと」や「学び直しが必要な人」を特定できます。

その上で、必要に応じて基礎から学び直すための講座を受講することをお勧めします。当塾では、10時間でビジネスに必要な数学の基礎を学べるEラーニングコースを提供しています。一人ひとりのペースで、無理なく基礎から学び直すことができます。

【社会人の基礎数学講座】ビジネス数字研修リテラシー向上に

数学苦手の言い訳をされたくない、数字がわかればもっと実力を伸ばせそう、数字に弱い以外はよくできるのに…。そのような社員様には、ビジネス基礎数学研修がお薦めです。…

テクノロジーが進化すればするほど、その恩恵を最大限に受けるためには基礎的な数字リテラシーが不可欠です。BIツールや生成AIを使いこなすためにも、まずは基礎力を固めることが成功への近道と言えるでしょう。

「わかった」と「使える」は別物です。本当の意味で数字を使いこなせるビジネスパーソンになるために、基礎からしっかり学び直してみませんか?