ビジネスシーンで意外と多いのが、基本的な「割合」の概念につまずいている方です。
「数字が苦手」とおっしゃる方の多くは、実は小学校3、4年生で習う「割合」の理解が不十分なまま社会人になっているケースが少なくありません。
理解が不十分なまま大人になり、もう一度学習しなおす機会もなく、苦手意識だけを抱えている方も少なくありません。
さらに問題なのは、割合を理解している人には、理解していない人の考え方がわからず、理解していない人は自分の弱点を隠そうとするため、ミスコミュニケーションが発生していることに誰も気づかないという点です。
割合を難しく感じる理由
文脈から情報を読み取れない
「10%増加した」という文を見たとき、何を基準に10%なのか、理解できていますか?
多くの方が、「もとになるもの」と「比較するもの」を文章から正確に読み出せていません。
基準点の混乱
「もとになるもの」なのか、「増えた分」なのか、「減った分」なのか、特に「◯◯に対して△△%」という表現に戸惑う方が多いです。
概念理解の欠如
割合や比率の概念自体をしっかり理解していないため、応用ができません。消費税10%を計算するのに0.1と掛けるべきところを1.1や0.01と誤った値を使ってしまうケースも見られます。
小学校時代のつまずき
小学校3、4年生の算数で理解できなかった部分がそのままになっている方が多いのです。その時につまずいたまま、とりあえず答えだけを覚えて乗り切ってきた結果です。
心理的ブロック
「数字が出てくると頭が真っ白になる」という方も少なくありません。数字を見るだけで緊張してしまい、文章の内容を正確に読み取れなくなってしまいます。
割合を理解していないことで起こる問題
コミュニケーションギャップ
「数字で正確に話しているつもり」でも、実際には聞き手に正確に伝わっていないことがあります。これがビジネスにおける深刻なコミュニケーションギャップを生んでいます。
曖昧な認識
数字を使っているのに「なんとなく」「雰囲気で」理解したつもりになっているため、正確な情報共有ができません。
問題の本質を見落とす
数値情報を正確に把握できないため、問題の本質が見えず、的確な分析や判断ができません。上司や顧客の話を聞いても、正しい共通理解ができていない可能性があります。
情報伝達の歪み
自分が理解していないことを他者に伝えることはできません。結果として、チーム内での情報共有が不正確になり、業務効率が低下します。
ビジネスの肝は「割合」にあり
ビジネスにおいて「割合」の理解は非常に重要です。売上増加率、利益率、シェア、成長率、ROI(投資収益率)など、ビジネスの成果や状況を表す指標のほとんどが「割合」で表現されます。
割合を正確に理解できるということは、単に計算ができるということだけでなく:
- 文章から必要な情報を正確に読み取る力
- 数値の関係性を論理的に理解する力
- その数値が示す意味を正しく解釈する力
を持ち合わせているということです。これらは、ビジネスパーソンにとって不可欠なスキルです。
幸いなことに、これらのスキルは適切な学習方法によって後から身につけることも可能です。大人塾では、社会人の方向けに基礎からしっかりと数字リテラシーを学び直せるカリキュラムをご用意しています。
数字リテラシーをチェックしてみませんか?
企業向け数字リテラシー研修のご案内
社員様、新入社員、内定者の数字力を強化する研修プログラムもご用意しています: